コミュニケーション

心理テクニックを使う上で一番大切なこと

 

さて今日で2017年が終了する。

僕の実業であるアイウェアショップは本日が仕事納めで、明日から営業開始だから年末も年始もあったもんじゃないのだが、暦的に一年の一番最後の日なのでここで今年をまとめてみる。

視覚情報が心理テクニックに与える影響について

12月16日、東京神田。

駅からほど近い会議室で、フォレスト出版とともに開発したプログラム「ザ・サブリミナル」のキックオフセミナーを行なった。

13時から19時までという長丁場だったが、80名を超す参加者さんの熱気に助けられアッという間に6時間がすぎた。貸し会議室の管理者さんから「今年たくさんのセミナーを拝見してきましたが、今日が最高の盛り上がりでした」との言葉をいただいたほどの熱気だ。僕の今年最後のセミナーをそんな盛り上がりの中で終われたことは幸せであり、参加の皆さんに感謝である。

振り返ってみると、今年は本当にたくさんの「心理系」「禁断系」のセミナーを行った。自主開催したものもあるし、他の方たちと共同で行なったものもある。

今回は2017年の締めくくりとして、そのすべてのセミナーで僕が繰り返し語った(口にした回数にすれば1,000回は楽に超えているだろう)「心理テクニックを使う上で一番大切なこと」を紹介する。

 

結論から言おう。

心理テクニックを使う上で一番大切なことは、日常的な言動であること。

以上である。

 

そう、とても単純だ。

しかし、実際に心理スキルや心理テクニックを知ったり習ったすると、この単純なことができなくなる。それを僕は何度となく繰り返し見てきた。たとえば、僕がコミュニケーション系のセミナーで必ずやる「アイヅチのワーク」。

は?

アイヅチ? それってわざわざセミナーで習うこと?

といま思ったかもしれないが、残念ながらアイヅチはわざわざセミナーで習うことだ。相手の無意識に介入するスキルとして、とてもとても重要だからである。

アイヅチを打っているこちらの姿は、網膜や視床下部を通して相手の無意識に「私はあなたを承認していますよ」と届く。すると無意識下に「承認されている」が貯まり、相手は「なんとなく」こちらに好意を抱いてくれる。その大きな鍵を握るのがアイヅチなのだ。

覚えているだろうか。ここで書いた「無意識が受け取る情報量は、意識の14万倍以上」という話。

パチンコで負けたことない女の話

 

この話の続きとして、無意識が受取る情報量の圧倒的多くは視覚からだ、ということを覚えて欲しい。

『産業教育機器システム便覧』は、五感による知覚の割合は視覚器官が83%、聴覚が11%、臭覚3.5%、触覚1.5%、最後の味覚が1.0%、であるとしている。まぁこの数字には諸説あるので細かな部分での正当性は横に置くとして、我々が視覚から圧倒的な情報を得ていることに意義を挟むことはできないだろう。

つまり、無意識が圧倒的に情報を得る視覚を通して「アイヅチをしている」のが入り、それが相手の無意識下で「自分は承認されている」と変換されて貯まるのだ。

もちろん相手が、目の前の人間のアイヅチによって自分が承認されていると意識することは一切ない。つまり「アイヅチ」はもっとも簡単なサブリミナルでの好意形成テクニックということである。

では心理テクニックはどのように練習するのか?

だから僕のセミナーでは、必ずアイヅチのワークを取り入れている。

まず「どのようにアイヅチをうてば相手の無意識はより好意を持ってくれるのか」というサブリミナルな観点からいくつかのテクニックを紹介し、その後、実際にペアワークをしていただくのだ。

すると、どうなると思う?

コミュニケーションが良くなる?

残念。まったく逆。僕がテクニックを説明する前よりもコミニケーションがぎくしゃくとして、結果、相手の無意識の中に違和感を残してしまう。そう、本末転倒というやつだ。

 

でも大丈夫。実はこれは狙ってのことなのだ。僕を含めて誰だって、知ってしまったテクニックは使ってみたくなる。しかし直前に習ったのだからまだ身体に馴染んでいない。だから、それを使おうとすると日常的ではない言動が起こる。

無意識は「日常的ではないこと」をすごく敏感に察知するから、日常的から外れた相手のアイヅチに対して「何か変だぞ、気を付けろ」と警告を発し、結果、なんかザワッとする感じが浮き上がってきてコミニケーションがぎくしゃくするのだ。

 

覚えておいてほしい。

スキルやテクニックは、日常的な言動の中に隠れていなければならない。

 

知人のマジシャンから教えてもらったのだが、うまいマジシャンになればなるほど不自然な動きがない。つまり日常的な行動の中に秘密のトリックを埋め込んでいる。これは心理テクニックにおいてもまったく同じ。日常的な言動に隠してはじめて効果を生むのだ。

 

では、どのようにすれば心理テクニックを日常的な言動に埋込むことができるのか?

必要なのは、自分が無意識に行っている日常的な言動を、意識して行えるようになること。自分が我知らずしてしまう話し方や行動のクセなどを、意識してやれるようにするのである。

そのために有効な練習法として「セルフコピー」をオススメしたい。やり方は次の通り。

  1. 自分の普段の言動を動画に撮る
  2. その動画をみながら、ソックリに真似をする
  3. 真似をしているところを動画に撮る
  4. 2つの動画を見比べて違和感がないかどうかを確認する
  5. 違和感がある場合、なくなるまで練習を繰り返す

 

これは動画を見てもらった方が分かりやすいだろう。
 

 
 
以上で分かる通り「セルフコピー」は面倒くさい。面倒くさいし手間がかかる。だが、この地味な練習を繰り返した者だけが、サブリミナルリンクの力を手に入れる。すなわち相手の無意識に効果的に介入し、自分の望みをかなえることができるのだ。

 

今年の最後に僕の大好きな言葉を。

流した汗は嘘をつかない。

僕は来年、今年以上にたくさんの汗を流す。
たくさんの汗を流す計画もすでに山と積んである。

あなたも一緒にどうだろう?

 

illustration たかみまさひろ

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