こんにちは、助手です。
選挙においては、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果が大きく働くということで、今回は社会情報学の知見を交えて、そのあたりを深掘りしていきます!
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果
選挙においては、「有権者の支持が優勢と報道された政党や候補者の方向に動く」場合をバンドワゴン効果が働いていると言い、逆に「劣勢と報道された方に向かう」場合をアンダードッグ効果と言います。
バンドワゴン効果とアンダードッグ効果ふたつをまとめて、アナウンスメント効果と言い、社会情報学の見地から選挙におけるアナウンスメント効果を詳しく記した記事がありますので、まずはそちらをご紹介します。
バンドワゴン効果をよくご存知ない方は、下記の記事をご覧ください!
選挙時に投票前のマス・メディアの報道が、投票結果に及ぼす影響。とくに議論されるのが、優勢と伝えられた候補者が、さらに多くの票を獲得する場合のバンドワゴン効果と、劣勢を伝えられた候補者が、同情などから事前予想より票を伸ばすアンダードッグ効果である。
なお、英語の anouncement effect は、経済政策の事前告知が市場に及ぼす場合などの「告示効果」の意味で用いられることが多く、選挙報道に限定した用法は一般的ではない
(橋元良明、2012「アナウンスメント効果」大澤・吉見・鷲田編集委員・見田編集顧問[2012])
この記事を書かれた橋元氏は、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果について、以下のように発表されています。
バンドワゴン効果
バンドワゴンとは、パレードの先頭の楽隊車を意味し、それを見かけた人が後にゾロゾロついていき、次第に列が長くなっていくイメージから、大勢派がさらに優勢になる現象をいう。選挙時における事前のマス・メディア報道の影響を議論するアナウンスメント効果のひとつで、優勢と報道された候補者に対し、有権者が投票しがちになる傾向を意味する。背景には、結果から得る落胆の回避、当選に寄与したと考えたい心理などが考えられる。
(橋元良明、「バンドワゴン効果」大澤・吉見・鷲田編集委員・見田編集顧問2012])
アンダードッグ効果
アンダードッグ効果は、選挙時に、マス・メディアの報道が投票行動に及ぼす影響を意味するアナウンスメント効果のひとつ。事前に劣勢を伝えられた候補者が、有権者の同情や劣勢挽回のための支持から、当初の予想以上に獲得票を伸ばす現象をいう。アンダードッグとは「負け犬」を意味し、語感として「判官贔屓」に近い」
(橋元良明、2012「アンダードッグ効果」大澤・吉見・鷲田編集委員・見田編集顧問[2012])
バンドワゴン効果、アンダードッグ効果、それぞれの語源は?
バンドワゴン効果
英語には、「jump on the bandwagon 」をいうイディオムがあります。バンドワゴンとは「行列の先頭を行く楽隊車」のことですが、このイディオムを日本語にすると「勝馬に乗る」でしょうか。
アメリカの昔の選挙では立候補者が馬車に乗って選挙活動をしていまして、自らをアピールするため音楽隊を馬車に乗せて演奏させていました。多くの市民が、人気のある候補者の馬車に飛び乗って支持を表明したことから、この言葉が生まれたようです。
まさにバンドワゴン効果が選挙に密接に結びついていることを表す、イディオムだと思いませんか?
*日本語の「勝ち馬に乗る」の語源は調べてもハッキリとした答えは見つかりませんでした。が、私個人は、競馬で買っている馬に乗って賭けると勝つ確率が高いとか、そんな意味なのではと勝手に想像をしております。
アンダードッグ効果
アンダードッグは、負け犬のこと。
「犬死に」という言葉もあるように、犬に絡んだ語句はマイナスのものが多いようです。「負け犬」という言い方は、元々は闘犬からきたという説が有力そうです。
動物を闘いに賭けをするのは、闘犬に限らず、闘牛や闘鶏や、中国では二千年の歴史を持つコオロギを戦わせる闘蟋(とうしつ)というものあり「負け牛」でも「負け鶏」でも「負け蟋」でもよさそうなものなのですが、なぜか犬が選ばれてしまっています。犬の場合、負けて尻尾を巻くその姿が「負けました」感が強いので選ばれてしまったのではないかと、私は想像しています。
アンダードッグ効果は日本語で言うなら「判官贔屓」。こちらの語源は良く知られているように、兄の源頼朝に滅ぼされた悲劇の英雄、源義経を自然にかばう日本人特有の心情からいわれるようになったもの。
確かに私も、特にスポーツなどでは日本人は「判官贔屓」をしてしまいますが、選挙においても、バンドワゴン効果よりはアンダードッグ効果が働く方ではないかと自己分析をしています。
選挙においてあなたは、バンドワゴン効果が働く方、アンダードッグ効果が働く方、さてどちらのタイプですか?