こんにちは、助手です。
皆さんは心理テストや性格適性検査のようなものって信じる方ですか? 私はかなり信じる方です。
と、今回は、そんなお話をいたします。
バーナム効果はこうして強化される!
SPI・SHL・ロールシャッハ…世の中にはたくさんの性格適性検査があります。あるいは、いまはネット上でもたくさんの心理テストが簡単にできますので、ついやってしまう方も多いと思います。
この心理テストや性格適性検査、やっているときは問題数の多さに何をどう答えているのかよくわからないことが多いのですが、結果が出て見ると
この性格診断、結構当たっているな
と思えること多くあったのではないでしょうか?
すべてがすべてとは言いませんが、心理テストや性格適性検査もバーナム効果により「そう思ってしまう」ケースが多くあるのです。
バーナム効果とは、アメリカの興行師であるフィニアス・テイラー・バーナムが述べた「誰にでも当てはまる要点というものがある」 という言葉に因んで、アメリカの心理学者ポール・ミールが名付けた、「誰にでも当てはまりそうなことなのに自分のことだと思わせるテクニック」のこと。
バーナム効果を語るときには占いの例がまず引き合いに出されますが、私の所見では占いと同等に心理テストや性格適性検査でも、バーナム効果にによって「当てられた」感を得ます。
特に30問以上の問題に答えた場合は、時間や労力を消費しているので余計に「この性格診断あたってる」と感じる傾向が強くなります。費やした時間や労力が、バーナム効果を強化すると言うわけです。
こうして最初に行なった性格適性診断を「当たっている」と感じると、次に心理テストや性格適性診断を行なう機会があったときにも「きっと正確に出るに違いない」と我知らず期待を大きくしてしまいます。最初のバーナム効果が効いていて、信頼度が上がっているからです。
これはとても危険です。バーナム効果がかなり効いている状態では、「それは全人類共通でしょ」という表現でも「自分にホント当てはまっている」と驚いてしまうからです。大袈裟に言えば
あなたは哺乳類です!
といったことに対して
そうか!私って哺乳類だったんだ!
という驚くのと同等です。どんなタイプの心理テストでも性格適性検査でもズバリ当っているなと感じたら、必ずバーナム効果を疑ってみてください!
バーナム効果をよくご存知ない方は、下記をお読みください
日本人にはバーナム効果がよく効きます
バーナム効果の強化といえば、テレビや雑誌などもマスメディアによる影響も小さくありません。
私はテレビも雑誌も読みませんが、銀行や食堂や理髪店や病院などでチラチラ見たりパラパラめくると「xxなあなたは、xxな性格です」とか「あなたがxxであるなら、典型的なxxです」という情報によく出くわします。
こうした場合、マスメディアの権威性と相まってバーナム効果が強化され、「そうか、私はxxだったんだ」と思ってしまいがち。ですが、冷静に分析してみるとマスメディアのこのような発言は「一般的な見解」である場合がほとんどです。つまり、マスメディアよって強化されたバーナム効果によって「間違った自分像」が刷り込まれてしまったのです。
先ほどのネット上での心理テストもまったく同じ。その心理テストに「権威のある人が作った」というような情報が添えられているとバーナム効果が強化され、結果を鵜呑みにしてしまうことが多くなります。そうならないよう、どうか気をつけてください。
日本人は、バーナム効果に弱いと言われているので、特に注意が必要です。
一例を出しますと、日本では「なんでも曖昧に言っておけば無難」、というとお叱りをうけるかもしれませんが、少なくとも私どもの研究では、日本では「それ違うんじゃないか」というのをストレートに出すのは苦手な方が多いとでています。
バーナム効果として使っている事例で申し上げるなら
あたなたは、言いたいことを我慢しちゃうところがありますね?
と言うと、「そうなんですよ!わかってくれました?」と同意を示してくれることが多いのです。どんな性格の方にでも「言いたいことを我慢しちゃうところ」があるのにも関わらず、です。
同じように、「明るい」「悩みを持っている」などのキーワードで、「そんなの誰にでもあるでしょ!」というのをうまく表現するとバーナム効果が発揮されますので、どうぞお試しください。
もちろん、人心操作のない範囲内で!