コミュニケーション

げに恐ろしきは、言霊の引寄せ力なり

言霊(ことだま)の話である。

我が国では昔から、言葉には言霊があると言われ、言葉に霊的な力が宿ると信じられている。あなたがそれを信じるかどうかは別として、

いいじゃん、それ!

と、オカルト好きの僕は、面白半分に興味を示し「言霊で幸運を引寄せよう!」などと、口先だけで言っていた。「口に出しているだけで幸運がやってくるとか、そんなわけないだろ」と思いつつだ。

 

だが気をつけろ!

言霊って本当にあるんだぜ。

 

一冊目として以下の本を出して、それをキッカケに各地で講師を頼まれるようになった頃の話。

 

僕は講演やセミナーの壇上に立つたびに、こう言い続けていた。

自分の店の目の前に、自分と同じ商品を二割安く売る売り場面積三倍の店ができても、自分の店を選んでもらう。それが『キラーブランド』だ!

 

 

で?

そう、言霊。

 

壇上で偉そうに何度も繰り返していた言葉が言霊となり、現実となって目の前に現れた。僕の店の斜め前に、うちと同じ商品を二割安く売る売り場面積三倍の上場企業の巨漢店舗ができたのだ。

おい、おまえ。おまえが偉そうに何度も言っていたことを現実にしてやったぜ、さぁやってみろよ」って。

 

死ぬと思った。

僕の想像力の欠如以外の何ものでもないのだが、実際に現実になってみると恐怖しかなかった。

 

だってそうだろ?

誰だってより多くの中から選びたいし、同じものなら安い方がいいに決まっている

どうしたら僕の店は生き延びることができるのか必死で考えた。が、「よし、これだ」と握りこぶしを作れるような妙案はついぞ出ることがなく長き戦いが始まり、僕はビジネス心理を駆使してゲリラ戦を仕掛けなんとか凌いでいくのだが、その話はまた別の機会に書くとして。

昨日、11年に渡るその長き戦いが、終わった。

 

目の前のチェーン店が閉店したのだ。

言霊を信じたからこそ

この11年で、僕が気をつけてやったこと。

「ありがとう」を言うようにした。

もちろん戦術的な部分とかでは、死に物狂いで色々やった。だが、ずっと心にして続けてきたのは、幸運を呼ぶマントラともいえる「ありがとう」を妄信的に口にすることだ。言霊の恐ろしさが身に沁みて分かったからね。

 

たとえば、あなた。

今日の朝起きてからいまの時間までに何回「ありがとう」と口にした?

5回?

3回?

マジで想い出して欲しい。あなたは今日の朝起きてからいまの時間までに何回「ありがとう」と口にした?

 

ここにネスレ日本が「日本人は一日に平均何度、ありがとう、を言うか」を調査をした結果がある。

ネスレ日本の調査結果によると、日本人が一日に「ありがとう」を言う回数は平均7.5回この数字どう思う? 僕は「案外、多いじゃん」と思った。

それもそのはずで、同じ調査結果によると、男性は年齢が上がるに従って回数が減るらしい。10代の少年の平均が7.8回なのに対し、50代のオヤジの平均は4.3回。つまり、オヤジは若者の半分くらいしか「ありがとう」を言ってない。

これで納得だ。類は友を呼ぶで50代のクソオヤジの僕の周りにはクソオヤジしかいないから「ありがとう」を聞くことも少ないんだ。

 

ともあれ。
平均7.5回の「ありがとう」を僕は最低でも10回は言うようにしてきた。

回数を稼ぐには、コンビニのレジが最高の場所だ。僕はコンビニヘビーユーザーだから、かなりの数が稼げる(ちなみにコンビニのレジで「ありがとう」と言っている人を僕はほぼ見たことがない)。

 

勘違いしないでくれよ。感謝をしろって言ってるんじゃないんだ。ただ「ありがとう」と口に出せばいい。気持ちなんてまったく入ってなくていい。

その理由は、言霊や引寄せと無意識、潜在意識の関係を小難しく語らないといけないので、今回はパス。ただ行動が気持ちを変える、って簡単に考えてくれ。

笑っていれば楽しい気持ちになるし、胸を張っていれば自信が出てくる。気持ちを制御するのは困難を極めるが、行動ならすぐに変えることができる。言葉を口に出す行動は、特に簡単だ。言えばいいだけだからさ。

 

もちろん
信じるかどうかはあなた次第。

僕は11年間「ありがとう」を言い続け、
昨日、目の前のチェーン店が閉店した。

ただのそんな話だからね。

 

illustration たかみまさひろ

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