バンドワゴン効果

日本人は要注意! 絶対に知っておきたいバンドワゴン効果とは?

心理スキルを日常生活に使うべく日々研鑽を重ねる博士と助手の元に、今日も一通のお便りが届いたようだ……

 

 

助手

博士、今日のお昼は何にしますか?

博士

角の弁当屋の「あんかけカオマンガイ」が食べたいの

助手

え〜、あそこはいまの時間、長蛇の列ですよ

博士

並べば買えるではないか!

助手

そんな当たり前のこといわないでくださいよ

博士

いやいや、世の中にはこの↓ように買えない人だっているんじゃぞ

違うところに見とれた僕が悪いのですが……

ガンガン太郎(32才 / 男性 / 会社員)

製薬会社でルート営業をやっています。いつもは車で病院を回っているので、ランチはファミレスかコンビニで買って車内ってパターンばかり。

その日は都心で研修があったので、久々に街の美味しいランチを食べようって出てみたら…いやぁ街って華やかなんですね。綺麗なOLさんがたくさんいました。いつも病院の待合室で先生待ちしていて周りはご年配ばかりなので、それがもう新鮮で新鮮で。

ふと見るとそんな綺麗なお姉さん達がズラリと並んでいるお弁当販売のワゴン車が。これは!って思って一目散に並びました。並んでると、結構な数のお姉さんが僕のことをチラチラ見てくるので「いけるんじゃないか」とか「どの子にどうやって話しかけよう」とか妄想が膨らんでしまって。

結局、ランチ買った後に「一緒にどうですか?」って後ろの人に話しかける作戦にして(後ろのお姉さんが一番好みだったのです)、順番がきたので、さてどのお弁当にするかって迷おうとしたら…

「すいません。うち女性限定なので、男の方にはお売りできません」

と販売のお姉さん。

マ、マ、マジですか!
って確認したらワゴンの隅に小さく「女性限定」の文字が!

完全に見落とした僕のミス。いたたまれないほど恥ずかしく、取り急ぎ目についた牛丼屋に飛び込みました。

…いつもの牛丼屋ですが、その日はなぜか心にしみる味でした……

 

助手

博士、今回はバンドワゴン効果ですよね?

博士

そうじゃが?

助手

みんな使ってるなら安心、流行ってるものが欲しくなる、という心理ですよね?

博士

行列に釣られて並んでしまった今回のお便りはいい例じゃろ

助手

いや、確実に、行列じゃなくて女性に釣られてますけど…

おなじみのあの光景は、バンドワゴン効果が生んでいます!

バンドワゴン効果って聞いたことありますか?

そもそもバンドワゴンってなんだろう、という人も多いと思いますが、バンドワゴンとはパレードの先頭をゆく楽隊車のこと。あるいは車でなく、パレードなどで行列の先頭を歩く馬を指すこともありますが、いずれにしても「先頭として引っ張る」役目をしています

バンドワゴンが後続を引っ張ることから、「みんながxxしているなら安心だ」「流行っているから欲しくなる」というような、「ある製品・サービスを支持する人が多ければ多いほど、その製品・サービスへの支持が一層強くなる」効果を、バンドワゴン効果といいます。

 

マーケティングの世界では意識しなくても使われている効果で、特に日本人はバンドワゴン効果に流されやすい傾向にあります。

たとえば「新しいパソコンソフトが発売されて行列!」とマスコミがニュースで報じたときのこと。ある人が

ある人

通りかかったら行列していて、何かはよくわからない(=なんに使うかよくわからない)けど、みんながこれだけ並んでいるならきっと必要な物だろうと思って買ってしまった

とインタビューに答えていました。

まさに驚愕のバンドワゴン効果! そもそも家にパソコンありますか?って確認したくなるようなインタビューでした。

 

また日常での場面では、たとえば、たこ焼き屋が二軒並んであったとします。

片方のたこ焼き屋には長い行列、もう1つのたこ焼き屋は閑古鳥。そうすると、前を通りかかった人は食べたこともないのに「きっとこの並んでるお店がおいしいに違いない」と思ってしまう。味は並んでいないたこ焼き屋の方が上だったりするかも知れないのにです。これが「みんなが求めているなら美味しいだろう」と思ってしまうバンドワゴン効果です。

実際、全国展開しているメタリックカラーの名前がついているたこ焼き屋さんは、サクサクやれば列をなくすことができるにも関わらず、店頭でわざと列を作らせるオペレーションにして、バンドワゴン効果を狙っています。さらに発展系ですが、向かい合わせに二軒出し一軒にわざと並ばせないことでもう一軒を超繁盛店にする、という荒技を使っているたこ焼き屋もある、とも聞いています。

 

博士

みんながやっている=それなら安心

助手

みんなが持っている=自分も欲しい

博士

みんなが食べている=きっと美味しい

助手

自分に置き換えてみてもわかりやすいです

博士

わし、わかりにくいけど?

助手

それは、博士と書いて天の邪鬼と読む、と学会で言われるくらいですから…

勝馬も負け犬も、バンドワゴン効果に関係あり

バンドワゴン効果という名称は、アメリカの経済学者、ハーヴェイ・ライベンシュタインが創作した用語で、発表された論文に書かれたそのままをご紹介すると以下の通りです。

自らの仲間と同じようなものを身に付けたり、購入したりしたいとか、仲間と同じように行動したり、消費したり、振る舞ったりした いといった欲求、群衆に加わりたいとか、「集団の一員」でいたいといった欲求など、群衆の動機付けおよび集団心理学の現象 、すなわち、人々が他者と同じものを購入しようとする心理的傾向
佐野正博(2010)「ライベンシュタインおよびロルフスのバンドワゴン効果論」

 

60年以上も前(1950年)に提唱されたバンドワゴン効果ですが、先にご紹介したビジネスやマーケティン的な活用だけでなく、政治でも、特に選挙でバンドワゴン効果が見受けられます。

選挙の事前にマスコミが「候補者はこの人が当確する!」みたいな特集を組んだ場合に、有権者がその人に投票しがちになったりするパターン、覚えがありませんか?

有名なタレントなどが立候補すると「あ、この人知ってる」みたいな雰囲気となり、その人にいれがちになるというのも選挙におけるバンドワゴン効果。またウキィペディアをひくと、以下のような文章が出てきます。

投票者が勝ち馬に乗ろうとする傾向は、選挙直後の世論調査において当選候補に投票したと答える人の割合が、実際の当選候補の得票率を有意に上回る例が多いことに示される。
ウキィペディア「バンドワゴン効果」

 

「勝馬に乗る」。バンドワゴン効果の一面をズバリ表した素晴らしい言葉だと思います。

ところで「勝馬に乗る」のとは逆に、

  • 売れていないアイドル
  • メッチャ弱いサッカーチーム
  • 一番最後を走るマラソンランナー

などをつい応援してしまった経験はありませんか?

これもまた日本人は好きなのですが、いわゆる「判官贔屓」。弱いもの、負けそうなものを応援したくなってしまうことを言いますが、心理学では「アンダードッグ効果」といいます(アンダードッグは「負け犬」のこと)。

そして、バンドワゴン効果とアンダードッグ効果を総称してアナウンス効果と呼んでいます。

 

博士

むむ、馬と犬とは、また

助手

なにかそこにあるのですか?

博士

香港とマカオに行ったときのことじゃが…

助手

やったんですね、競馬とドッグレース。で、散財したんですね。ってそれ、まさか私の給金では…

博士

いや、そのまさかなんじゃが…みんながやると言うものだから、わしもつい

助手

バンドワゴン効果のせいにしないでください! 私にとっては死活問題なんですから!

博士

そうじゃ、間違って使ってはいかんのじゃ! そのためにも使い方を説明しよう!

助手

(…誤魔化した…大泣)

バンドワゴン効果を賢く使う秘訣

バンドワゴン効果の使い方として、もっとも広く知られているのはマーケティングでの活用です。

街を歩いていて、あるいはネットをサーフしていると、多くの場面でこんな言葉に出くわします。

「いま話題の商品」
「ロングセラー商品」
「当店人気No.1」
「今年の流行」
「xx万台突破」

これすべてバンドワゴン効果を狙ったもの。

「他人に置き去りにされたくない」という恐怖感や「皆と同じ環境を手に入れた」という満足感。これらをバンドワゴン効果で上手く刺激して、商品やサービスの購入に繋げようとしているのです。

 

特にテレビショッピング。あの番組はバンドワゴン効果の見本市のようなもの。

「500万台突破!」と言って「みんな買ってるなら持ってないとダメか?」と思わせ、「メーカーの売上げランキングでNo.1」と言って「そんなに売れているならいいものかも」と思わせ、終盤では申し込み数をテロップで表示して「ただいま申し込みのお電話が殺到しています。残りあとわずかです。ご注文はお早めに!」と言って「早く申し込まないと自分だけ置き去られる」と言う恐怖を与える。

 

すると…

 

買ってしまう。
見事なバンドワゴン効果の使い方です。

 

街で見るバンドワゴン効果で、ちょっと裏技、というか悪用というか、微妙ながら効果抜群なのが「サクラ」という手法

古い話ですが、ソニーがはじめてウォークマンを発売したときには、クールな人たちにウォークマンをさせて表参道を歩かせましたし(そしてそれを若者系人気雑誌で「一番新しいトレンド」なんて特集してバンドワゴン効果をさらに強化しました)、西麻布にアメリカ発のアイスクリームチェーンがやってきたときには、まさにサクラに長蛇の列を作らせ、「なんだあれ、気になるな」と思わせて、両者ともそこから爆発的な人気を博すことができています。

他にも公にできませんが、バンドワゴン効果を狙ったサクラ作戦は、本当に多く使われています。街を歩いたとき、行列に出会ったらサクラを疑ってみるのも、バンドワゴン効果を勉強する助けになるかもしれません。

 

助手

博士、なんか大きな箱が届いていますが…

博士

あ、それ、それね、うん、あとで開くから置いておいて

助手

(ふぅ)今度は何を買ってしまったんですか?(ふぅ)

博士

いやなにね、購入した全員が「倒れるだけでシックスパック」になったと言うから

助手

(ふぅ)博士、残念なお知らせですが、これ、体重制限ありますよ(ふぅ)

博士

え? まさか!

助手

(まさかじゃないし。それくらい調べてから買って欲しいし。というかそれ無駄遣いだし。こうなると博士箱から出すかも微妙だし。あ〜もう〜〜〜〜〜〜)

口コミこそ、バンドワゴン効果の王様!

バンドワゴン効果でもっとも強力と言われているのは、「口コミ」です。

世界的な調査会社として消費者の視聴行動、購買行動の分析を行っているニールセンが、アジア太平洋、欧州、中南米、中東およびアフリカ、北米の、合わせて60の国と地域で30,000人以上の消費者を対象に、2015年2月23日から3月13日にかけて実施した広告信頼度グローバル調査では、以下の結果が出ています。

最も信頼できる広告は、自分が知っていて、信頼している人から直接受け取るものです。本日発表されたニールセンの広告信頼度グローバル調査によると、調査対象となった60の国と地域におけるオンライン回答者の83パーセントは、友人や家族からの推薦を信頼していると答えています。
ニールセン「消費者が最も信頼する“広告”は、友人からの推薦、次いで企業サイト」

上記の通り「友人・家族の口コミを信頼する」という割合はなんと、8割。ようするに、嘘くさい宣伝よりも、口コミを重視するということです。

飲食店検索サイトでお店お探すときに、★の多いお店に対して「美味しそう」「行ってみたい」思ってしまったこと、ありませんか? あるいはアマゾンなどで興味のあるカテゴリーを検索していて★が多い本を見つけたとき、つい買ってしまうのもバンドワゴン効果のなせる技です。

 

助手

博士、またなんか大きな箱が届いていますが…

博士

あ、それ、それね、うん、あとで開くから置いておいて

助手

(怒)今度は何を買ってしまったんですか?(怒)

博士

そんな怒鳴るなら、君がいま開ければいいじゃろ!

助手

わかりました。開けさせていただきます!

 

(助手、大きな箱を開ける)

 

 

助手

わぁわぁわぁ、お掃除ロボット「クリンちゃん」だ!

博士

君、欲しいと言っておったじゃろ

助手

はい、この前の学会で大評判になってましたから

博士

助手君は口コミに弱いからの

助手

(照)いや、しかし、どうしてですか?

博士

君にはいつも苦労ばかりかけとるからの。たまにはいいじゃろ

助手

博士〜!!!

博士

(これで次の…いや、バズると危険じゃ。黙っておこう)

 

バンドワゴン効果のまとめ
  • 「みんながxxしているなら安心」「xxがしているなら欲しくなる」という「xxがやっていることなら正しい」と思わせる効果をバンドワゴン効果という。
  • マーケテイング的には「500万台突破!」のように「みんな買っているのに買わないの?」的な焦らせ文句に活用できる。
  • 「サクラ」はバンドワゴンの変形。
  • ニールセンによると「友人・家族の口コミを信頼する」という割合は8割。口コミがいかにセールスにつながっているかわかる。
  • 「周りの評価」や「流行」を意識することで、バンドワゴン効果を活かした広告宣伝をすることができる。

    illustration MiyaZoe

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