こんにちは,助手です。
今回はピグマリオン効果と,その反対であるゴーレム効果にについてお話をしていきます。
ちなみに「ピグマリオン」とは昔ギリシャのキプロス島にいた彫刻の上手な王様のことで、「ゴーレム」とはユダヤ教の伝承に登場する自分で動く泥人形のこと。もうこれだけで意味深ですよね?
ピグマリオン効果の語源とは?
ピグマリオン効果は、博士との本講座をご覧いただいた皆さんはもうご存知だと思いますが、「君はできる!」と先生や上司から期待されることで、本当に成功を収めたり成績がアップしたりする効果のことです。
名前の由来は、昔ギリシャのキプロス島にいたピグマリオン王のお話から来ています。彫刻の名人だったピグマリオン王、あまりに彫刻が上手かったため、自ら彫った理想の女性の像に恋をしてしまいました。そして、この女性像を妻に迎えたいとくる日もくる日も想い続けたのです。
普通に考えれば、石が人になることなどありません。しかし、ピグマリオン王の想いは奇跡的に愛の女神アフロディーテに届き、アフロディーテはピグマリオン王を哀れに想い願いを聞き入れ、女性の像を生きた娘に変えたのです! そして二人はめでたく結ばれた、そういう愛の溢れるお話です。
さて、ここで皆さんに質問させてください。
これってどこかで聞いたお話とは思いませんか?
そうです。
ピノキオみたいです!
つまり「人が心から願うことや期待することはよい結果を生む」ということなのです!
ピグマリオン効果をご存知ない方は、まずはこちらをご覧ください。
ゴーレム効果の語源は泥人形?
ピグマリオン効果の逆、他人に対し「期待していない」という言葉をかけることや、悪い印象を持っているのを態度で示すことで、その相手の成果にマイナスの結果をもたらしてしまうのがゴーレム効果。
ゴーレム効果のゴーレムとは、ヘブライ語で「かたちなき者」という意味を持つ、ユダヤの伝説に出てくる意思のない泥人形のこと。
ゴーレムは呪文で動き出す人形なのですが、額の護符の文字を1字取ってしまうと、瞬く間に土に戻ってしまいます。ゴーレム効果と言う名前は、ゴーレム人形のこの特徴を比喩的に使ってついたと言われています。
すなわち、私たちが夢を持ち頑張っている場面で「おまえなどダメだ」「君にできるわけない」「努力するだけ無駄」といったネガティブなメッセージを一つでも受けると、文字を一つ消され「ただの泥」になってしまったゴーレムのように、私たちも自信が消えて「ただの人」になってしまうというわけです。
友達や彼氏、彼女から冷たくされると落ち込むというのも、だからゴーレム効果が働いてのことと言ってもいいでしょう。
この方法で部下をグングン伸ばせます!
以上ご紹介したピグマリオン効果とゴーレム効果を「会社内での上司と部下の関係でどう使っていくか」について、私はかれこれずっと助手なので、部下の立場から「上司にはこうして欲しい」を最後に述べさせていただきます。
褒めてください!!!
ピグマリオン効果とゴーレム効果は「人を叱って伸ばすのなんてもっての他で、とにかく褒めて伸ばすべき」というハッキリとした指針を示しています。
だから基本、褒めてください。
望まれた結果まであと一歩で終わってしまった場合は「どうしてもう一頑張りできないんだ! そこがおまえの甘いところだ」と怒りたいところグッとこらえて、「あとひと息のところまでよく頑張った。次は目標まで行こう。君ならできるし、期待している」と言ってください。
あなたご自身が言われる立場になって、上の二つの言葉を読み比べていただくと、どれだけその後の気持ちが変わってくるのか、実感していただけるのではないでしょうか?
と、お話してくるとひとつ疑問が出てきますよね。
「とんでもない失敗をしたときはどうするのか?」「たくさんの皆さんにご迷惑をかけたとんでもない失敗でも叱らずに褒めるの?」ということです。
この場合は、はい、叱ってください。
ただし、「期待」があることを前提として叱ってください。叱られても期待があることを感じられれば、ピグマリオン効果が働いて頑張れますから!(私にも実に身に覚えがあります)